土木設計CIVIL DESIGN
土木設計とは
土木設計業務では、人や物資の通行空間としての機能を担う道路・橋梁等の交通インフラについて、新設設計を行うほか、老朽化の進む構造物について、補修・補強プランの提案を行います。構造物の設計にあたっては、合理的な形式で、周辺環境や安全に最大限配慮した計画を立案します。
また、施工管理部(発注者支援業務)との連携により、施工現場での諸問題について迅速な検討を行い、発注者に技術提案も行っています。
1.道路設計
国の交通ネットワークの基幹となる高速道路から生活道路まで、道路整備全般に関する計画・設計を主体に、インターチェンジ・ジャンクション・SA/PA・スマートICなどの連絡等施設の計画及び設計を行います。
京都縦貫自動車道 大枝地区連絡等施設設計検討業務
【西日本高速道路株式会社】
第二京阪道路の完成6車線(L=11.4km)の舗装詳細設計業務です。連絡等施設として3箇所のハーフICと近畿道に接続するJCTの設計を実施しました。
【1】事業計画(3舗装工事分割)に基づく図面・数量等の編纂
【2】警察協議等のための3DVR走行シミュレーション作成
【3】3DVRによる「分合流部の区画線等の妥当性」、「ランプ屈曲部等の安全対策」、「標識配置・表示の妥当性」の検討・評価
【4】検討結果に基づく標識設計
【5】3DVRによる完成時景観の検証
2.橋梁設計
上部工、下部工及び基礎工について、架設計画を含めた比較検討により、経済的かつ合理的な最適橋梁形式を決定するとともに、周辺状況を考慮した工事用道路や施工ヤード等の施工計画の提案を行います。さらにCG及び3DVRを用いて、周辺景観との調和に関する検討や架設計画についても取り組んでいます。
上信越自動車道(2期線)滝ノ沢橋基本詳細設計
上信越自動車道(2期線)滝ノ沢橋(L=129.0m)の基本詳細設計です。
本橋の架橋位置は、斑尾川及びその支沢の浸食によって形成された河川勾配の緩い谷となっており、その谷を横過する橋梁のため、橋脚位置の選定や橋台部の施工について制約を受けました。
比較検討により、基礎工は橋台部が深礎杭、橋脚部はベノト杭。下部工は、橋台が逆T式橋台、橋脚はインターロッキング橋脚(剛結構造)を選定し詳細設計を行いました。上部工は、3径間連続合成2主鈑桁複合ラーメン橋を選定の上、基本設計を行い、橋梁全体の耐震性を照査するため、非線形動的解析も実施しました。
3.保全設計
全国の高速道路や一般道をはじめとする、膨大な社会資本ストックの劣化の進行に合わせ、適切な予防保全等の対策を行うことが求められます。保全分野では、橋梁・トンネル・C-Box等の調査・診断を実施し、調査診断結果に基づいて損傷原因を究明の上、補修・補強の提案・設計を実施しています。
橋梁点検
- 【目的】
- 橋梁の損傷状況把握
- 【内容】
- 地上から、または梯子・リフト車・船・橋梁点検車等を用いて、部材の近接目視点検、及び第三者被害が想定される箇所の打音点検を行います。
トンネル点検
- 【目的】
- トンネルの損傷状況把握
- 【内容】
- 上から、またはトンネル点検車等を用いて、部材の近接目視点、及び第三者被害が想定される箇所の打音点検を行います。
技術紹介
3次元バーチャルリアリティ
人工的に作った仮想空間を、より現実に近い形で再現できる技術で、環境・安全に配慮した設計・施工、比較案検討時などに活用しています。
ジャンクション
高速道路のジャンクションは、本線及びランプの分合流が多く、複雑な平面線形と縦断線形を有しており、3次元バーチャルリアリティを用いることで、その構造やイメージを容易に確認できます。また、走行者の標識や路面標示の視認性確認、注意喚起の設置位置や安全性能などを走行シミュレーションにより確認し、建設前段階における関係機関への協議説明資料として活用できます。
景観検討シミュレーション
道路施設では、SA/PAの休憩施設・バスストップ景観・構造物景観・橋梁景観など、様々な景観検討が可能です。また、河川計画や公園・造成・町づくりなどの景観描画が可能なだけでなく、樹木や付帯施設の配置比較検討や太陽光線や季節・天候などの影響検討も、同時に行うことができます。
渋滞検討シミュレーション
計画道路や検討道路の交通量・分合流比・車種区分等の設定により、想定される交通流を生成することができます。この機能を用いて、交通流の状況変化に伴う渋滞予測や道路構造に伴う渋滞や速度変化などを、簡易的にシミュレーションすることが可能です。また、交差点における信号制御や、計画交通量に伴う簡易渋滞予測、事故現場における車線縮小に伴う簡易渋滞予測などを、視覚的に再現することもできます。